「看護助手、無理かもしれない」
そう思ったことはありませんか?
実は私自身、看護助手に転職して10日で「辞めよう」 と考えました。
病んだというより、「この環境で何も変わらないなら、自分が壊れる」と判断した感覚に近かったです。
もしあの時、「もう少し頑張らなきゃ」と無理を続けていたら、たぶん心も体も先に限界を迎えていたと思います。
病棟で8年働く中で、入職してすぐ辞めた人、「辞めたい」と相談してきた人を何人も見てきました。看護助手として入った人も、介護福祉士から病院に転職してきた人 も、ある程度共通する特徴がありました。
辞めた時期で違う「病み方」の特徴
辞めるタイミングによって、しんどさの中身が違いました。表にまとめます。
| 入職2〜3ヶ月以内で辞めた人 | 1年以内に「辞めたい」と言った人 | |
|---|---|---|
| 状態 | 仕事に適応する前に心が限界 | 仕事には慣れたが、人間関係で削られている |
| 主な原因 | 覚えることが多すぎる/聞けない/先輩のあたりが強い | プリセプターが厳しい/看護師に強く言われる/特定の人と関わると萎縮 |
| 体のサイン | 動悸・不眠・勤務中の体調不良 | 出勤前の気の重さ/帰宅後の疲弊 |
| 心理の流れ | 「できない自分が悪い」→「向いてない」→「辞めたい」 | 「仕事は嫌じゃない、でもこの人がつらい」 |
| 回復の可能性 | 環境ごと変える必要があることが多い | 配置調整や面談で続けられるケースも多い |
特に新人時代は、「分からない」が積み重なりやすい。でも病棟は忙しい。聞くタイミングも難しい。 すると「できない自分が悪い」と自分を責める方向にいきがちなんですよね。
「辞める」と言った時には、もう決まっている
現場で感じたのは、退職を申し出る頃には、本人の中でかなり答えが出ているということです。
「もう無理」 「ここでは頑張れない」
そこまで一人で抱え込んでしまっている。
私自身、退職希望を聞いた時には、
「話聞くよ」 「一緒に相談行こうか?」
と声をかけても、気持ちを変えられないことが多かったです。
それだけ、人は“限界まで我慢してから”言葉にするんですよね。
なぜ病棟には攻撃的な人がいるのか
看護助手(看護補助者)の仕事は、人間関係に左右されやすい職場です。
- 後輩に強く当たる先輩
- 矢継ぎ早に指示を出す看護師
- 「根拠は?」と詰める人
- 無視する人
「なんであんな言い方するの?」そう思うこともあります。
でも、途中から私は少し考え方が変わりました。
「あの人の態度」は、その人自身が選んでいる表現なんですよね。
同じ内容でも、やさしく伝えることはできる。それでも威圧的な態度を選んでいるのは、その人自身。
だから、その人の“伝えたい内容”だけ受け取って、嫌な態度まで背負わなくていい。
これは、かなり大事だと思っています。
「嫌な態度」を全部受け取らなくていい
例えば街で知らない人に嫌な態度を取られても、「この人、感じ悪いな」で終わることってありますよね。
職場だと毎日顔を合わせるから、必要以上に深く受け取ってしまう。
でも周りに相談すると、
「ああいう人だもんね〜」
で終わること、ありませんか?
実はみんな、その人の性格を分かった上で付き合っているんです。
つまり、「その人の態度の責任まで、自分が持たなくていい」ということでもあります。

我慢し続ける必要はない。でも…
もちろん、本当に合わない職場なら辞めてもいいと思います。心や体を壊してまで続ける仕事ではありません。
ただ、もし「もう少し頑張りたい」と思うなら、一度だけ自分に問いかけてみてほしいんです。
| 自分への問いかけ | 考えるヒント |
|---|---|
| 自分は本当はどうしたい? | 辞めたい/続けたい/配置を変えたい、のどれに近い? |
| 何が一番つらい? | 仕事内容?特定の人?シフト?体力? |
| どうなったらラクになる? | その人と離れる/休む/話を聞いてもらう |
相手を変えるのは難しい。でも、「相手の態度」と「自分の価値」を切り分けることはできます。
すると、不思議と少しラクになることがあります。
「自分とは何か」を考え始めた時に読んだ本
人間関係で悩んでいた頃、私は「なぜ相手の言葉にこんなに振り回されるんだろう」と考えるようになりました。
その時に印象に残ったのが、『自分とか、ないから。』という本です。
「自分を守らなきゃ」「認められなきゃ」そう思うほど、人の態度に傷つきやすくなる。 でも、“自分”への執着を少しゆるめると、人間関係の苦しさが少し軽くなる。看護助手の仕事にも通じる部分があると感じました。
もう少し古典寄りで読みたい方には、『超訳 菜根譚』もおすすめです。400年前の中国で書かれた処世訓ですが、「人と関わる時は3分の冷たさを残しておけ」など、病棟の人間関係にもそのまま効く一節がたくさんあります。
紙の本が苦手なら、耳で聴ける Audible もかなり相性がいいです。通勤中や家事をしながらでも聴けるので、心がしんどい時ほど「読む気力がいらない」のは大きいと思います。
私自身、料理をしながらや通勤の車の中でAudibleを聴いて“耳活”をしているのですが、『自分とか、ないから。』は特にAudibleで聴くのがおすすめです。
話し口調で耳に入ってきやすく、東大卒の元芸人さんというだけあって、話のテンポや今風の解釈・ツッコミが絶妙で、思わず笑ってしまいます。中身は東洋哲学なのに、とてもとっつきやすくて、勉強にもなる。
心が軽くなるので、本当におすすめの一冊です。
最後に
看護助手は、向いている・向いていないだけでは語れない仕事です。
環境・人間関係・教え方・タイミング・その時の心身の状態。いろんな条件が重なります。
だから、「つらい=自分がダメ」ではありません。
無理を続けて壊れる前に、
- 自分の気持ちを整理する
- 環境を変える
- 距離を置く
- 誰かに話す
そんな選択肢も、ちゃんとあっていいと思っています。